大規模修繕工事のコストメリットについて

建物本体と、電気、水道、ガスなど付属設備は分けて考えてよいと思いますが、建物本体の劣化は、躯体コンクリートの劣化、屋上防水の劣化、外壁塗装の劣化、シーリングの劣化、鉄部の錆、などがあります。

屋上防水、外壁塗装、シーリング等は、日照や風向きや雨水のかかりやすさ、その他もろもろの環境条件により寿命にばらつきがあります。そのため、同じ建物でも10年くらいで不具合が出る箇所もあれば15年くらい持つ箇所もあるでしょう。

環境条件が悪い箇所で10年目頃からポツポツ不具合が出始めて、「モグラたたき」的に個別補修を重ねていった場合でも、建物全体は確実に劣化が進んでいきます。そして、やがて全体的に寿命に達して「雨後のタケノコ」的に不具合が出るようになってからでは「いたちごっこ」になって修繕が追い付かなくなりますので、そうなる前に、予防すること、すなわち大規模修繕しておくことが望まれます。特に30年、40年と高経年マンションになればなるほどその傾向は強くなります。

また、不具合が起こってから補修するのと不具合が起こる前に予防するのとでは工事費用が大きく異なります。例えば、鉄部塗装の場合、錆が発生する前ならば塗装を塗り重ねるだけの工事ですみますが、錆が発生した後では、まず塗装をはいで紙やすりなどで錆落としを行い、次に錆止め処理を行ってから、その上に塗装することになり、大幅な手間と費用がかかります。

長いスパンで見れば、個別補修を積み重ねるより、適切な間隔で大規模修繕工事を行っていく方がトータルコストは少なくなります。